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舞台は緑が豊かに広がる四国の別子山。どこからともなくやって来た旅人と森の生き物との対話から物語は始まる。この山は元禄時代に銅が発見され、明治になってからは広瀬宰平らの努力で大いに栄えたが、大規模な開発で森の木はほとんど伐られ、西洋式の精錬所ができてからは亜硫酸ガスによる煙害も深刻化。荒れ果てた禿山になってしまっていた・・・

そこに現れたのがこの歌劇の主人公、伊庭貞剛。

鉱夫や農民の苦しみを目の当たりにして、彼らと誠心誠意向かい合い、なんとかして緑の山に戻そうとあらゆる努力をしてゆく。そして、やっと解決の道が見え、心ならずも奢りかけてしまったとき、心の師でもある峩山和尚から、「世の中、真面目にみてな」と、どこまでも謙虚であることを教え諭され、涙ながらに峩山に感謝する。

最後に舞台は再び緑の別子山に戻り、旅人と森の生き物たちが自然とともにあることの喜びを語り合い、人間と自然との共生を高らかに歌い上げて幕となる。

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